
全米オープン王者"デシャンボー"が語る「ワンレングスアイアン」のメリット
ロジカルにゴルフを捉え、独自の理論を元に「全米アマ」「全米学生」「全米オープン」の全てのタイトルを獲得し「ゴルフ界の科学者」とも呼ばれるブライソン・デシャンボー( Bryson DeChambeau)
彼が使用する「ワンレングスアイアン」はロジカルなコンセプトで、アメリカで注目を集め、徐々に日本でもその存在が広がってきており、ゴルファーの注目を集めています。
本記事では、デシャンボー自身がインタビューにて語ったワンレングスアイアンの魅力と、その可能性を探ります。

(*上記画像はNOOGのワンレングスアイアンの画像)
ワンレングスアイアンとは?
ワンレングスアイアンの最大の特徴は、その名の通り、全てのクラブが同じ長さで統一されていることです。
これにより、どのクラブを使う場合でも、プレイヤーは同じ体勢、同じスイングを維持できます。
従来のセットでは、クラブの長さや重さが異なるため、プレイヤーはクラブに合わせた調整を余儀なくされていました。一方、ワンレングスアイアンはその必要を排除し、よりロジカルでシンプルなプレーを可能にします。
「2011年にマイク・シャイと一緒にワンレングスアイアンを再発明しました。このクラブは、世界中の誰にでも恩恵をもたらすことができます。」
「よく質問されるのが『なぜこのクラブはバラバラな長さのクラブよりも優れているのか?』ということです。個人的な意見ですが、理由はすべてのクラブが同じ長さであるからです。」
デシャンボーは、ワンレングスアイアンのコンセプトについて次のように説明します。
「ボールにアドレスする際、ピッチングウェッジ、9番アイアンからロングアイアンまで、体の姿勢を変える必要がありません。」
「これが私がワンレングスに切り替えた理由で、毎回同じ姿勢でスイングできるようにしたかったのです。」
「一貫性」がゴルフを変える
デシャンボーは"一貫性"をワンレングスアイアンの最大の魅力として挙げています。
「ゴルファーはスイングの"一貫性"を出来る限り追求する必要がある。」
「ワンレングスアイアンは全てのクラブの長さが同じなので、"一貫性"を保ち同じ体の姿勢でスイングできるという点が非常に重要です。」
異なる長さのクラブを使い分け、コースでの色々な傾斜に対応しないといけない中で、クラブの長さを統一することで場面に応じたスイングの調整の手間を減らすことができるので、一貫性を持ってプレーすること可能になります。
「異なる長さのクラブを使い、様々な傾斜に対応するのは非常に大変です。」
「しかし、ワンレングスアイアンではクラブや傾斜に合わせて調整する手間を一つ取り除くことで、異なる傾斜で同じスイングでクラブフェースの中央でボールを打つ機会を多くすることが可能になります。」
ワンレングスアイアンに適しているゴルファー
デシャンボーによれば、ワンレングスアイアンは初心者から上級者まで、誰にとってもメリットのあるクラブです。
「バラバラな長さのアイアンを使ってきた人が多いことは理解しているが、最近では多くの人がワンレングスアイアンに切り替え、ボールストライクの能力に劇的な改善を見ています。」
飛距離の差はどのように生まれる?
従来のセットではクラブの長さが距離に影響を与えると言われていますが、ワンレングスアイアンでは「ロフト角」が距離を調整する重要な役割を担います。
「ワンレングスアイアンで距離の違いを生み出すのはロフト角です。」
「たとえば、ロフト角が4度変わると、スイング速度が時速90マイルの場合、約12~13ヤードの距離差が生じます。この物理的な特性が距離の差を生み出します。」
「距離の差に関しては、従来のアイアンもワンレングスアイアンも基本的に同じです。多くの人が『クラブの長さが距離に影響する』と考えていて、それは事実です。」
「しかし、すべてのクラブでヘッドの重さが同じだと、長さの違いがなければ一貫して飛びすぎてしまいます。そのため、バラバラな長さのクラブでは、ヘッドの重さとクラブの長さを調整して適切な距離を出しているのです。」
(*上記画像はNOOGのワンレングスアイアンのロフト角と飛距離イメージ)
まとめ
ブライソン・デシャンボーは、全てのクラブの長さを統一した「ワンレングスアイアン」を自身で開発し愛用しています。ワンレングスアイアンでは、プレイヤーがどのクラブでも同じ姿勢でスイングできるため、一貫性のあるプレーが可能になります。
• 特徴: 全てのクラブが同じ長さで設計されており、クラブごとにスイングを調整する手間を削減。
• メリット: 一貫性を追求できるため、スイングの安定性が向上。傾斜でも同じスイングで対応できる。
• 適応性: 初心者から上級者まで幅広いゴルファーにメリットがあり、ボールストライキングの精度を改善可能。
• 飛距離の調整: ロフト角を調整することで距離の差を生み出す設計。
(参考動画はこちら *英語)
ワンレングスアイアン「NOOG」
デシャンボーの「ワンレングスアイアン」という考え方にインスパイアされ、60年以上の歴史を誇る老舗ゴルフメーカー「共栄ゴルフ」と作り込んだのがNOOGの「ワンレングスアイアン」です。
NOOG(ノーグ)のアイアンは全番手を8番アイアンと同じ長さで統一しています。
全番手が同じ長さ・同じ重さなので、体の姿勢を変えずに「一貫性」を持ってスイング、アドレスを統一させることが可能で、アイアンに本来求められる「適切な距離の打ち分け」を最短で導ける」よう、アイアンの常識を設計し直しました。
ショートアイアンは安定して打つことができるけど、ミドルアイアンが安定せず苦手意識がある方は、8番アイアンと同じ感覚でミドルアイアンもロングアイアンも打つことができるようになり、アプローチの精度向上に繋がります。使えば使うほど、ミドルアイアンがどんどん楽しくなっていきます。
世の中のアイアンの多くは「飛ばす」ことに焦点が当てられていますが、本来アイアンに一番求められるのは、「適切な距離を打ち分ける」こと。
アイアンを使用する120~180ヤードで安定して適切な距離を打ち分けられるようになることで、スコアアップに繋がります。